St_Hakky’s blog

Data Science / Human Resources / Web Applicationについて書きます

新卒1年目が終わったので、この1年間を振り返ってみる

こんにちは。

ブログを書くこと自体が超久しぶりになってしまっているのですが、新卒1年目が終わったので、この1年を振り返りつつ、2年目どんな感じで過ごそうかというところを書いてみようと思います。と言っても、毎年書いている1年の振り返りを途中で書きかけて終わってたやつを新卒1年目の文脈で書き直した感じです笑。

あんまり「新卒だから〜」というので活動してきたわけではないのですが、このブログでは「新卒だった私」という備忘録としたいので、少し強調して書きますことをご了承ください。

1年目の振り返り

2018/4:入社

弊社における「新卒」の立ち位置

私が入った会社は、いわゆるAIベンチャーなのですが、私が入った当初、そこそこの人数(50人くらい)がいましたが、部署というものがなく、上司もいないフルフラットな感じの組織でした。

部署が解体されたみたいな感じだったらしく、もともといたメンバーや中途で採用された人などは割と「何ができるか」や「何をするか」がはっきりしていたので、メンバーの皆さんは部署はないけどゆるく中心となる業務はあるみたいな感じだったと記憶しています。

で、「新卒」で入ったメンバーである私はどうだったかというと、なんかよくわからなかった感じで過ごしていました笑。部署もなく、上司もなく、入って1ヶ月くらいは何したらいいんだろうみたいな感じでさまよっていた気がします。

当時思っていたこととして、「私ってわかりやすく〇〇が出来るっていうのがないんだな」ということです。今採用活動をしていて思うのですが、

  • PoC案件などにおける時系列解析、異常検知などのロジック開発経験
  • AWS/GCP上でのデータ基盤の開発経験

とかっていう、いわゆるわかりやすい「何ができる人なのか」というのがなかったんですよね。

一応、学生の間はそこそこいろんなことをしてきたと思っていたのですが、あくまで学生レベルだったんだな、と感じたのを覚えています。

例えば「Webアプリケーションのリリース・運用経験」みたいなのがあると言っても、それはあくまで学生レベルでしたし、それは今プロダクト開発をやっていて思うことです。なので、入った当初は、専業で何年もやられている方々に対してアピールできるようなものは何もない感じですし、それは今も変わりません。こういう新卒の時の体験もあって、「自分よりもうまく出来る人が沢山いる中で、どう価値を出すか」を常に考えて仕事するようになりました。

何ができるかを発信する+とりあえず何かやる

いわゆる新卒だと、入社式みたいなのが大きな会社だとあると思います。私もそういうイベントはあったのですが、同期は私よりも5歳年上のフランス人、1人だけでした。

なので、完全な新卒は私だけだったのもあってか、「会社のいろは」みたいなのが、わかんねぇみたいな感じで過ごしていた感じです。

一応データサイエンティストとして二人とも入ったのですが、当時はあんまりデータ分析系の案件もなかった感じで、待っていても仕方ないので、次の2つをやることにシフトしました。

  • 自分の出来ることを活かせることをする
  • できそうな仕事はとりあえず引き受けてみる

まず、一つ目に関しては社内の勉強会を開きました。AIの会社とはいえ、ビジネスサイドの人はあんまりAIについて知らないみたいなのに衝撃を受けて、「勉強会しますよ」みたいな感じでやってました。副次的ですが、何ができる人なのかというアピールはその場でできて、その後の仕事とかにおいてよかった気がしています。

次に、できそうな仕事とかはとりあえず引き受けまくってました。議事録取ったり、営業に行ったりとか。ビジネスサイドの人よりは普通に技術わかるので、提案資料作ったりとかもしてました。あとは、人事関係のプロジェクトをなぜかやっていたりとか。

今思っても、この時期は何してたかよくわかってません笑。ただ、会社全体の色んなところに現れることができたので、会社がどんな風に動いているのか、などがわかったのは後々のためになりました。

また、フラットな組織においては自分から何かやってみるっていうのが大事なんだなというのを感じたのもこの時期です。待つんじゃなくて、積極的に何かやってみる、みたいな。やって見たら、思ったより皆さん反応を返してくださったので、「あっ、自分から必要だと思ったことをやらないといけないんだ」と認識を改めたのもこの辺りでした。ちょっと慣れるまで時間かかりました。笑

〜2018/06:そんな感じで2ヶ月ほど過ごす

5月末くらいに、「どうやら社内で大きめなサムシングがある」ということがわかり、実際に6月にそれがありました。これはあんまり書けないのですが、その関係もあり「Hakkyさん、なんで人事のこととかコンサルのことやっているんだ」って認識されて、ちょうどこの頃にデータ分析系の案件をやるようになりました。

データ分析系の案件としては、弊社のプロダクト開発とPoC案件をやるようになりました。

データ分析系のPoC案件は、よくTwitterとかでネタ的に扱われる炎上案件で、「こんなクライアントもおるんやなぁ」となりました。なので、分析の手法とかはぶっちゃけ全然大したことない感じのものだったのですが、顧客対応とか要件定義とかプロジェクトの進め方とか、そういういろんなものを学びました。

この当時PMをやられていた方の動き方は今でも参考になっています。一緒に仕事できてよかったなぁと。

大学時代は「ロジックで物事って解決できるでしょ」って思って難易度の高いロジックとかを楽しんで勉強していましたが、

  • まずは「簡単な解き方で解けて、価値のでる最良の問題設定をする」というのが大事
  • その上で、「腕力でぶん殴れる、すなわち技術力で殴れるようにする」という手段を持っておくのは必要

という風にだいぶ自分の中で考えがシフトしました。なので、今でもKaggleの優勝者の手法は追いかけてますし、理論的なデータ分析系の本も読む一方で、「どうやってユーザーに価値のあるシンプルな問題に落とし込むか」みたいなところを探求するためにUXの勉強とかをするようになりました(これは後で書くように、プロダクト開発系の文脈が強い関係もありますが)。

炎上自体はあんまり良くなかったのですが、炎上はこういう状況で起きるのかぁという謎のナレッジを得れましたし、当時のチームメンバーの皆さんの雰囲気とか含め、なんだかんだ楽しかったです。

〜2018/08:AI系のプロジェクトの難しさを知る

当時のPoC案件をやりつつプロダクト開発のデータ分析案件もやっていて、他のプロジェクトの状況とかも見ていたのですが、「ここまで色んなメンバーが揃っている会社でもまだ難しいところがあるんだな」と思って、「僕だけが難しいなって思っているわけじゃないのか」と妙に安心したのを覚えています。

入社4ヶ月目の8月くらいの時に、特に難しい部分は「繋ぎ」の部分だと学んだのはでかかったです。

  • 顧客と弊社
  • ビジネス価値と分析ロジック
  • アルゴリズム/モデル開発とUX
  • 分析ロジックとエンジニアリング

他にもまだあると思いますが、総合格闘技になればなるほど、難易度が上がっていくんだな、と。逆に「特定領域で解ける問題」に落とせば、圧倒的な専門家に意見をもらえるなど、解きやすくなるな、と感じました。

これは、今の自分のキャリアの方針にもなっています。

〜2018/09:「学び」と「勢い」

9月頃から、炎上案件も私の担当部分はほぼ終わり、プロダクト開発側のデータ分析に集中することができるようになりました。

弊社ではクラウドに主にAWSを使っているのですが、当時の私は、AWSについても知らず、色々知識が足りてませんでした笑。

そんな中でもなんとか、プロダクトを利用していただくユーザー企業様と一緒に、価値検証と技術検証のPoCを6月から進めてきたのですが、10月にその内容を複数名のお客様に提供できるようにしないといけなくて(つまりプロダクションに乗せるという感じ)、とてもヤベェって感じでやってた記憶があります。

忙しい中でしたが、クラウド上に分析ロジックを展開したり、RedashというBIツールを導入してのプロトタイプの開発やUXの整理をしたりなど、最終的なプロダクトにどう繋げるか、という点をかなり強く意識して開発できたと思います。

今でこそ少しわかるようになってきた、S3/Lambda/Batch/RDS/CloudWatchなどなどの各種AWSのサービスも、最初は「どういうことだってばよ」って感じで勉強しながらやっていました。ここら辺については、当時一緒に開発をしていたエンジニアの方がいるのですが、一緒に夜遅くまで「ヤベェ、ここのロジックミスってる」とかって言いながら開発していた記憶があります笑。一緒に戦っていただけて、とても感謝しております。

あとは、勢いみたいなので自分の価値を出すみたいなところは正直結構ありました笑。忙しかったですし、能力も足りてなかったので、もう「頑張る」しか選択肢がなかった感じで、とにかくアウトプットを頑張って出す、みたいな。

実力が足りなかったので、その分頑張るしかなかった感じです。

〜2018/11:Product Ownerになる

これまでは、プロダクトの割と大きめな1機能を担当していたみたいな感じだったのですが、「Product Ownerをやってみないか」みたいな感じになって、Product全体を見るようになりました。11月ごろから引き継ぎも兼ねてやり始めたのですが、IoTや機械学習、データ分析などを扱うプロダクトなので、幅広い技術を身につけないといけなかったり、今まで見えていなかったものを吸収したりする必要があって、なかなかにバタバタしていました。

Product Ownerになって、今まであんまり見えてなかった問題点が凄くたくさん見えるようになってきて、優先順位とかはもちろんある程度つけましたが、些細なことであれば一つずつ片っ端から潰していくことを優先しました。

例えば、ビジネスメンバーから機能案やオペレーション改善案が出てこないこととかは、GithubをTeam全体で使えるように導入して気軽に出せるようにしたり、データ分析をエンジニアに依頼しなくてもできるようにするために、BIツールを積極的に布教して使えるようになってもらったりもしていました。

Product Ownerの本来の役割とは少し逸れるかもですが、人数が少ないのもあって、割とTeamをどうするかとか、そのための採用する人をどうするかとか、そういうのもプロダクト開発と並行して考えないといけなかったですし、自分は自分で一つ大きめの機能開発を持っていたので、とってもバタバタしていました笑(バタバタしてたって言うの、2回目笑)

特に、プロダクト周りは、どこに注力したらいいかとかを、技術含めて考えないといけないので、5ヶ月たった今でも悪戦苦闘感がすごいです汗。

そんな忙しい11月頃でしたが、会社にお金を出していただいて、AWS re:Invent2018に行ってきて、「世界のトップ企業はこんな風になってんのか…!!」と小学生並みの感想を持ちました笑。もっと頑張らないといけないなと思いましたし、プロダクト開発にもヒントになるような気づきを多く得られて本当に良かったです。今もですが、会社にいる人に比べてそんなにめちゃめちゃAWSできるわけでもない私の背中を押していただいた会社の方には感謝しております。

〜2019/02:Productの方針を固める

Product Ownerの引き継ぎ後、「このままじゃやばい」と思っていたプロダクト開発の方針の部分を結構がっつり手を入れて整えました。一緒にやってくださった、某データ可視化の専門家のデザイナーの方がいらっしゃるのですが、抽象的な議論が多かったり、荒れ狂ったプロダクト開発の状態だったりしたので、僕も1直線のプロジェクトの進め方を出すことができなくて、かなり右往左往させてしまいました。

これは私にもう少し実力があればと言う感じで、本当に申し訳なかったのですが、色々アドバイスをいただきながら頑張れたおかげもあり、

  • プロダクトとしてどこに注力していくか、その方針策定
  • 方針を具体化したプロダクト開発関係のProjectリストの構築
  • UIのリニューアルに向けての開発

などに向けて、しっかり歩を進めることができています。一人では絶対に出来なかった状況からなんども打ち合わせをして、なんとか形になったので、本当によかったなぁと思っています。こちらも感謝です。

また、僕と同い年のエンジニアリーダーの方がいるのですが、僕が書いた「プロダクトこんなのにしよう」と言うのをいい感じに汲み取っていただき、よしななシステムの絵を書いてくださり、バックエンド周りのプロジェクトを整えていただきました。こちらも感謝しかありません。今のチームメンバーの皆さんは本当に優秀で、確実に大変な状況だけどポジティブにやれているので、とても楽しくやれています。

2019/03:開発してきた機能のリリース

入ってメインで関わっていたプロダクトの機能のGAがついこの間できました。サービス提供自体は去年の10月からできていたのですが、アプリケーションやシステム間の連携、処理ロジックの安定化など諸々をやっていたら、結構時間がたってしまいました。

人のアサインなど、様々な問題があったとはいえ、反省点も多いプロダクト開発プロセスでした。

クラウド側で処理していた分析ロジックが完成してからは、Webアプリケーションのフロント側やデータベースからデータを取ってくるAPI側の開発をチームの方にお願いしていたのですが、ここについては

  • もう少し全体のシステム理解及びAPIやフロントエンド側のナレッジがあれば変わっていたかもしれない
  • UI/UXの部分についてもっとナレッジがあったら動き方が変わったかもしれない

と思うようになって、2019年年明けてから、そこらへんの知識を集中的に入れて、

  • どういうコミュニケーションをすればより早く、より動きやすくできるか
  • 今後のロードマップにある開発をしていくには、今のコードだとどこがボトルネックになるか

などを考えられるようにしようとしています。なので、ぶっちゃけVueとかデザインなどは、私の専門ではないのですが、勉強するようになりました。

いわゆるIoT・AI・Big Dataが絡み、Web Applicationまで提供するサービスになるので、その全てのプロセスを踏むと通常のWeb Applicationよりも時間がかかるのはわかっていましたし、ある程度覚悟してましたが、今回一連のプロセスを行うことができました。やってみて、もっと早くできるとも同時に思ったので、今後改善していきたいなと思いますし、ここで得られた知見はどこかで体系化してブログに書こうと思っています。

1年を振り返って

感想

この1年間、本当にいろんなことができたな、と思います。AI系のプロジェクト・プロダクト開発のプロセスを一通り行うことができた一年だったので、そこは本当によかったなと思います。

PoCからプロダクトにつなげることの難しさとか、IoT・AIが絡んだサービスの運用の難しさなどは本当に感じた一年でした。

その反面、本来のデータ分析系の手法とかのナレッジについては、そこまで高めることができなかったのが少し残念だったなぁと思いますが、それ以外は今年一年いっぱい経験したので、来年はもう少し余裕ができて、分析手法とかにフォーカスできると信じたい笑。

挑戦したいこと

今後は、次のあたりを頑張って行って、「私なりのデータサイエンティスト像」みたいなところを頑張って作れればいいなと思っています。

  • AWSを中心にしたクラウド側の知識をもっとためて、データエンジニアの動き方が出来るようになる
  • テーブルデータ周りの手法を中心に勉強しつつ、時系列・異常検知・因果推論系の手法の専門性を高める
  • 各エンジニアとコミュニケーションできるように、プロダクト開発の一通りの要素技術のナレッジを高める
  • 特に、UX周りを中心に勉強し、デザイナー含めた、よりスピード感あるIoT・AI系のプロダクト開発ができるようになる
  • データドリブンな組織開発をチームで実践する

やることはいっぱいあるので、一つ一つ勉強しながら、アウトプットしていきたいと思います。

それでは、一年目で関わった方々ありがとうございました。次の年もよろしくお願いします。